draMAGICAL!! 1☆☆
最近、どうも蒼ちゃんと紅ちゃんの様子がおかしい。
あのプラチナ・ジェイルに乗り込んでからというもの、二人が帰って来たその日から何かぎこちない空気がただよっている。
蒼ちゃんこと瀬良垣蒼葉はご近所さんで、幼い頃からそこそこ仲の良い友達といった感じだ。
お互い何の遠慮もなく自宅に上がり込むような一緒にいて気楽な友達、それが蒼ちゃん。
仲の良い、というよりも、空気といった感じかもしれない。
あ、いたの。みたいな。
そんな蒼ちゃんから一分前に電話がかかってきた。
今から俺ん家に来れるか、とのこと。何やら大切な話しがあるとかで。
いつもより声が低く、いかにも今から何かある、という雰囲気だった。
電話のかかってきたコイルをぼーっと眺めている私は、全裸だ。タイミングがよすぎるほどにお風呂上がり。
とりあえず下着をつけてパジャマを着た。
蒼ちゃん家に行くだけならパジャマでも、ビックリするようなダサイTシャツでも何でもいい。気をつかうような相手じゃないしいいのいいの。
一人暮らしの小さなボロアパートを出て、50メートルほど離れた蒼ちゃん家へ走った。
お邪魔します、と一声かけカギのかかっていない玄関を通り過ぎ居間へ入った。
「あ、タエばあちゃん」
可愛い髪色のタエばあちゃんがこちらを振り向く。
とっても料理が上手で手先が器用という素晴らしい女性だ。
蒼ちゃんとタエばあちゃん、この二人は仲良し家族である。
「おや、じゃないか。夕飯はちゃんと食べたかい?」
「もちろん。夕飯のあとにヨーグルトも食べたよ!」
「そうかい。蒼葉なら部屋にいるよ」
「ありがとう、ちょっと行ってくるね」
蒼ちゃんの部屋は二階だ。
階段を上りながら、蒼ちゃーん、と部屋に向かって声をかけてみる。
「お、来た来た。ごめんな、遅くに呼び出して」
案の定、部屋の扉が開き顔を出したのは蒼ちゃん。
「うん、で?大切な話しってなにさ」
「あ、そうだよな、えっと……おい、紅雀!が来てくれたぞ」
「お、おう!」
部屋に入ると紅雀がベッドの上で正座していた。
なに、この妙な感じは。
「悪いな、疲れてるとこに呼び出して……って、、髪!なんだそれ!」
「へ?髪?なんか変?」
「違う!濡れてるじゃねぇか!すぐに乾かさないと髪が傷むって何度言やわかんだよ!」
「だって蒼ちゃんから電話あったときね、ちょうどお風呂上がりだったもんでさ。そのままパジャマ着て走ってきたわけよ、はい」
「まったくお前は、蒼葉、タオルだ!」
はいはい、と苦笑いしながらタオルを取り出す蒼ちゃんの足元に蓮がスリープモードで丸まっている。
上品なダークブルーの毛並み。ぽわぽわ、ぽわぽわぁぁぁ!
「蒼ちゃん、蓮を起動させてほしいな、お願いします!」
私のお願いにも、はいはい、と返事をし、タオルを紅雀に投げ渡した後慣れた手つきで蓮を抱き上げた。
蓮、が来たぞ、そう声をかけながらスリープモードを解除し、こちらへ渡してくれる。
『、今日も仕事は無事に終了したのか』
「うん!今日も頑張ったよ!蓮は、調子どう?順調?」
『問題ない』
「元気そうで何より!蓮は本当にぽわぽわのもさもさのふわふわだね〜癒されるなあ」
蓮をギュっと抱きしめれば、、熱があるんじゃないか、体が熱いぞ、と言われた。
熱いかな?なんでだろう。走ってきたから?
すると後ろから紅ちゃんの大きな手が私の頭をとらえ、タオルでうまいこと髪を拭いてきた。さすが、プロ!
「蓮、違うぞ。は風呂上がりで体がほてってるんだ。ほら、髪も濡れてるだろ?なあ、こんな乾かしもせずに、髪が可哀相だと思わねぇか?」
「もう、髪なんてほっとけば乾くんだからいいじゃない。ね、蓮もそう思うでしょ?」
「その様子じゃ家でも乾かしてねぇだろ!きちんと乾かさないと髪が傷むって前からずーっと言ってんだろ?蓮もこの分からず屋に言ってやってくれ」
「時々こうして紅ちゃんが乾かしてくれるから濡れたままでいいの」
「おま、そういう恥ずかしいことをサラッと言うな!」
は?私何か恥ずかしいこと言った?
紅ちゃん(髪結いのプロ)が乾かしてくれるからラッキー!って意味で言ったんだけど。
本人には見えないように顔を引きつらせていたら蒼ちゃんが私の真ん前に座り、蓮の頭を撫でてきた。
そして一言。
紅雀の方が女に恥ずかしいこと言いまくってるだろうが、と的確な突っ込み。
ナイスだ!まったくその通り!
この男、紅ちゃんこと紅雀は殴りたくなるほどに女好きな一面がある。
顔は男前、スタイルは抜群、力強くケンカとなれば負け無し、おまけにリブでは紅時雨の頭で、職業が髪結いとなればモテモテ要素もりだくさんだ。
女の子にびっくりするような笑顔を振りまいているあの姿は、見ているだけで吐きそうになるときがある。キモくて。
その割に、私には一切甘い言葉をかけてこないっていうね。
そりゃ友達なんだから当然かもしれないが、もうちょっと優しくしてくれてもいいと思う。
さっきだって、髪が濡れてるからってあんな怒鳴り口調じゃなくてさ、乾かさないとダメだろ?の一言でいいじゃないか。
それが髪が傷むだの分からず屋だの!
『、どうした、心拍数が上がっているようだが』
心臓に当たる所で蓮を抱きしめていたからか、私の異変に気付き見上げてきた。
異変というよりも、怒りがヒートアップしてるだけなんだけどね、ほんと腹立つ。
「……ちょっとイライラして」
『大丈夫か』
「うん、ありがとう蓮っ、いっ!ちょ!なにするの紅ちゃん!痛いよ!いや!」
突然力をこめて頭をガシガシこすられたものだから、小さく悲鳴を上げてしまった。
蒼ちゃんの方へ逃げようとすると、後ろから腹部に腕が回ってきた。この筋肉質な太い腕!!
「逃げるな」
「痛くするからでしょ!もうちょっと優しくしてよ!」
「あのな、髪を濡らしたままだと頭から冷えて風邪を引いちまう可能性だってあるんだ。これからきちんと乾かせよ、分かったな?」
「しつこいなぁ、うん分かった分かったはいはい」
「お前な!全然分かってねぇだろ!!」
紅ちゃんの腕から逃れようともがいていると、前から蒼ちゃんの腕が伸びてきて、私の頭に優しくチョップ。
うお、なに。
「紅雀はのこと心配して言ってるんだぞ、その態度はダメだろ」
『蒼葉の言う通りだ』
なんと、蒼ちゃんと蓮にお叱りを受けてしまった。
俺の言ってること間違ってるか?と更に追いつめてくる蒼ちゃん。
つい目をそむけ下を向くと蓮と目が合ってしまった。
なんだか、私が悪いことしてるみたいだ。
「……ごめんなさい。これからは気をつけます。髪も乾かすようにします」
「よし、は素直だな!紅雀も、もう少し優しくしてやれよ。は女の子なんだから」
「俺の前にスッピンで現れるような女はぐらいだからな、つい手加減を忘れちまうんだ」
どういう意味だ!スッピンなだけで手加減を忘れるだなんて聞いたことない!
ほんにもう、紅ちゃんにはカチンとくる。
あ、ていうか。
「ねえ、大切な話しがあるって何?そろそろ聞かせてよ」
「「あ」」
二人の声がそろった。
少しの間沈黙となり、何やら不穏な空気が漂って来る始末。
蒼ちゃんは完全にうつむいてしまい顔が見えない。後ろの紅ちゃんはピクリとも動かない。
思い切って、あの、と声を出すと、私の腹部に回されてる紅ちゃんの腕に力がこもり、より強く締め付けてきた。
おいおいおいおいなにすんの!?その筋肉質な腕に力こめるとか、圧迫!内臓つぶれる!殺す気か!アバラがミシミシ鳴ってる!苦しいぃぃ!
「ちょっと!さっきから何なの!苦しいから放して!」
「は、受け入れてくれるって信じてる」
「へ?」
受け入れるって、だから何を?はっきり言ってくれないと分からないよ。
そして紅ちゃんが私の耳元で、すごい発言をした。
――俺と蒼葉、愛し合ってんだ
聞き間違いじゃない、確かにそう言った。
すかさず蒼ちゃんと目を合わすと、事実だ、と真剣な表情で言われた。
どことなく床に視線を落とし固まっていると、紅ちゃんに名前を呼ばれハッとする。
おう、どうしよう、なんというか、ショックだ。
男同士が!?と脳裏に浮かんだが、それ以上に二人が私の知らない所で更に仲良くしている事の方がショックだった。
一人はみ出された気分というか、邪魔者というか、たまらなく心臓が痛い、なにこれ。
確かにね、プラチナ・ジェイルから帰ってきて蒼ちゃんの髪を紅ちゃんが切ったり、蒼ちゃんが紅ちゃんの家に泊まる回数が増えたりと仲の良さが深まっていたのは気付いていたけども。
……あ、やばい、手が震えてきた。
抱きしめている蓮に手の震えが伝わらないよう、蒼ちゃんに素早く渡した。
「そっか、うん、確かにとっても大切な話しだね。話してくれてありがとう」
「男同士がわけのわかんねぇこと言ってんじゃねぇって、女のお前なら思うよな」
「そんなことない!人それぞれだもん、私、きちんと受け入れるから」
明るい声でそう告げた。もう必死。
すると、蒼ちゃんが前方から私を抱きしめてきた。
「、ありがとう!」
「ありがとな、ならそう言ってくれると思ったぜ」
二人に抱きしめられ、なんだか辛いような嬉しいような苦しいような……うぐぇっ
男二人力強い!特に後ろ!絞め殺す気か!
私が苦しさに耐えていると、蒼ちゃんが更にとんでもないことを言い出す。
「それでだ、を呼び出した本題はここからなんだ」
「え、まだ何かあるの!?」
蒼ちゃんの手が私の頬に触れ、今までにない至近距離まで顔が近付いてくる。
うわお、キレイな顔してんなぁって、違う違う、近くない?え、近くない?
「、俺達と付き合ってくれ」
「……は?」
蒼ちゃん、ボケたか。
「付き合ってくれるよな?」
紅ちゃんも、ボケたか!?
「いや、え、おかしいでしょ、二人して何言ってるの、さすがに理解できないよ、だって、二人は愛し合って付き合ってるんでしょ?」
「俺らは愛し合ってるけどライバル状態でもあるんだ。とは俺の方が親しいだの、理解してるだの、笑顔を向けてくれるだの。な、紅雀」
「おう、何年も前からな」
だめだ、混乱してきた、整理しよう。
男同士が付き合ってて、でも実はライバルで、女の私を好きと?でも二人は愛し合ってるのよね?はい?
三人で愛し合おうと結論が出たんだ、と更に蒼ちゃんが言葉を繋げ乾いた笑いが出てしまった。
三人で愛し合うって、へ、す、すごいね、何かもう私の返答は聞かずとも決まってるみたいな言い方ですね!?
「や、ちょ、でも三人で付き合うって無理があるんじゃ」
「無理なもんか。大丈夫だよ。も俺達のこと好きだろ?」
「そりゃ、二人は好き……というか、大切だよ。だからって、三人で付き合うって、それはまた別というか」
「聞いたか蒼葉!は俺らのこと大切だって!やべぇな、お前そりゃ、好き以上の気持ちがあるってことだよな!?くぁぁ、!言ってくれるぜ!」
「うがぁ、ぎゃああああああああ!!!!!!」
紅ちゃんの腕が私の腹部をこれでもかと言うほどに締め付けた。もう、鋼鉄にはさまれている気分だ。
「紅雀!が苦しんでる」
「おっと、悪い悪い、嬉しくてな」
蒼ちゃんの一声で腕の力が弱まった。
痛かったか?と腹部をしつこく撫でてくる手にイラっとしたが。覚えてろ。
「、答えてくれ、俺達と付き合ってくれるか?」
「蒼ちゃん顔近いから!それに、急すぎて何がなんだか」
「答えは一つだろ、俺達と付き合うんだ、、俺の目を見て」
「目て!それ、もしかしてスクラップとかいうのする気じゃないでしょうね!?」
「……ちっ」
舌打ちしたーーーーーーー!!!!!
危ない、危険だ、この子危険だ!!
「そうだ、、いいこと教えてあげようか」
「……なに」
「俺達と付き合ったら、蓮とも付き合うことになるんだぞ。俺と蓮は常に一緒だからな。そうだよな、蓮」
『ああ、そうなるな』
「付き合います」
「「えええええええ、そこで!?」」
蒼ちゃんったら自分で言っておきながら驚いてる。
紅ちゃんも、おいおい!そりゃねぇだろ!と不満げな反応を爆発させた。
だって、蓮と付き合うことにもなるって、たまらないよね!?ぽわぽわ祭りじゃないの!
蒼ちゃんの顔を片手で横に押しやり、紅ちゃんの腕から逃れ、床でキョトンとしている蓮に向き合い、正座した。
「蓮は、私のこと好き?」
『ああ、好きだ』
「蓮、あのね、私も蓮が大好き」
『そうか、ありがとう』
「これから、よろしくお願いします」
『こちらこそ』
蓮を抱き上げ、顔の横で抱きしめると耳をペロっと舐めてきた。
「くすぐったいよ、蓮」
『が抱きしめるから、何か反応しなくてはと考えた上での行動だ』
「もう、蓮ったら」
『いやな思いをさせてしまったのなら、すまない』
「全然!私ね、蓮に舐められると幸せな気分になるの」
『そうか、覚えておかなくては』
幸せ、蓮とこんな、恋人同士のような会話ができるなんて!神様ありがとう!
蓮がいてくれたら、どんなことでも乗り切れそうな勢いよ!
「「待て待て待て待て!」」
蒼ちゃんが私から蓮を無理矢理取り上げたその瞬間、紅ちゃんの腕が再び腹部へ巻き付き後ろへ引き寄せられた。
ああ、蓮と引き離されてしまった!こんにゃろ。邪魔しないでくれる!
「こら、!お前なぁ、蓮と付き合うのは俺らと付き合った上でのことだぞ!?分かってるよな?」
「蓮と付き合ったら二人がついてきた、じゃないの?」
「「おかしいだろ!」」
先ほどから二人の呼吸がピッタリすぎて、本当に仲良しだなあ、愛し合ってるんだなあ、なんて思ってしまう。
「ったく、おい、さっき蓮に舐められたの右、左、どっちの耳だ」
「右だけ…っどぉあ!ひっ!!」
右耳を紅ちゃんがヌメリと舐め、軽く噛みついてきた。うあ、き、気持ち悪い!
せっかく蓮が可愛くペロペロ舐めてくれた所を!
「俺らをちゃんと見ろ、本気なんだ。蒼葉も言ってやれ」
「ああ。蓮ばかりかまってたら俺達嫉妬で狂っちゃうかもしれないぞ。なあ、紅雀」
「おう、今も結構きてるけどな」
「ん、俺もだ」
遠慮なく顔を近づけてくる蒼ちゃんは、少し怒りを含んだ表情をしている。
そして何のためらいもなく左耳に舌を突っ込んできた。生々しい音が脳に響き、う、と声を出してしまう。
耳からうなじ、頬、目尻、と途切れることなく舐められ、気づけば蒼ちゃんの手がどことなくいやらしい動きで体に触れていた。
それに便乗してか、紅ちゃんが後ろから左の首筋に顔を埋め、舌を這わせきた。
おい、お二人さん、なに盛ってんの、おいおいおい、私今これ、襲われてる?二人に襲われてるのかな!?
「ストーーーップ!ストップだって!落ち着いて!二人ともどうしたの!」
と、上ずった声で反撃してみるものの、まるで聞こえないと言った態度で、むしろ二人の手がパジャマの中に入り込もうとしている。
やだ、こんな、もっと愛し合った上でこういう行為はするもので!おかしいでしょ!
「れ、蓮!お願い、助けて!二人がおかしい!」
「蓮、邪魔するなよ」
『……了解。すまない、。蒼葉の指示は絶対だ。耐えてくれ』
「どぅええええええ!?!!?そんな!」
「、これから俺達を受け入れて愛してくれるのなら、これ以上襲わない。どうする?」
そんな蒼ちゃんの一言に後先考えず、とりあえず現状から逃れるために必死で頭を縦に振った。
前後から攻められ自分がどうあがこうと動けない状況、いくら信頼している二人であろうと男に対する恐怖心が芽生えるってもんだ。
「分かった、分かったから!愛すよ!二人を愛します!だからこんな、やめてよ!!」
二人の動きがピタリと止まった。
「紅雀、が俺達を愛してくれるって!」
「ああ、やったな、蒼葉!」
二人は私を開放し、抱き合いながら喜び合っている。
乱れたパジャマを素早く直し、部屋の隅へ逃げた。
何なんだ一体、もう二人でイチャパラしとけよおい、私を巻き込むなよ!!
この短時間で三人の関係性が急展開を迎えた。
友達の二人が私の恋人となり、その二人も恋人同士の為、三人で愛し合うこととなった。
でも、本音を言ってしまえば、私はこの二人を友達以上に考えたことが無い。
だって……。
何であれ、あの雰囲気に負けてしまい本音を言い出せなかった自分の小心さを殴りたい。
これはさりげなくフェードアウトしていくのが一番ね。
ただ、蓮とはラブラブぽわぽわしながら、蒼ちゃんと紅ちゃんのみフェードアウト、これだ!
「……蓮、こっちに来て」
はしゃぐ二人に聞こえないよう、小声で蓮を呼んだ。
蓮は静かに私のそばへ近寄ってくる。
『どうした』
「蓮、大好き」
『そうか、ありがとう』
蓮を抱き上げ、頭に軽くキスをしてみる。ついね、ついやっちゃった。
蓮は大人しく受け入れてくれた。
「へえ、見たか紅雀。が蓮にキスしてたぞ」
「こりゃあ俺らもやってもらわねぇとな」
へ。
気付けば囲むように仁王立ちする二人がこちらを見下ろしているではないか。
しまった、部屋の隅に逃げたけど、逃げるなら階段側に逃げればよかった、これ、逃げ場ない、近くにベランダあるけど、ど、ど、どうしたらいいかね!?
いっその事ベランダから飛び降りる!?いやいや骨折したらどうするんだ自分!
ガクガク震え縮こまっていると、胸元で抱きしめていた蓮がもそもそと動いた。
『大丈夫だ、落ち着け』
不意打ちで蓮が私の唇をペロと舐め、場の空気が凍りつく。
蒼ちゃんはコラ!蓮!と怒鳴り、私から蓮を取り上げようとするが全力で阻止してやった。
紅ちゃんは、シツケがなってねぇ!と蒼ちゃんに怒り出す始末だ。
さて、明日からどうなることやら。
draMAGICAL!! 1☆☆終
NEXT!